塗り壁隊のサポート

今回、塗り壁隊のメンバーは子供も含め12人ほどが参加した。作業費用はかからず、ボランティアでやっていただけるのだ。ただし宿と食事の世話はこちらが手配することになる。もっとも農家さんのように母屋があれば、そこを利用して費用がかからないが、全面改装中となれば、他に探すしかない。そこで、呉の駅前にあるゲストハウスを貸し切った。

暑い夏に汗だくの作業

最初の作業としては、柱や床などを汚さないように、養生することから始まる。マスキングテープも大いに活躍し、青いビニールシートを注意しながらセッティング。水分を多く含む土壁の材料を落とすと、水浸しになるからだ。また壁に水をシャワーノズルで振りかけて、古い壁と今回の新しい土がなじむように整える。だから余計に水が溢れるのだった。

土壁を作るのに、粘度質の赤土と左官砂、そして石灰、最後に短く切った藁をフネで混ぜていく。粘り気があり、鍬のような道具でこねていくイメージだ。その際に、化学変化をおこし、湯気がたつほど熱を帯びるのだ。だから、当然、より作業が汗だくになる。

残暑の厳しいおり、体調管理に気を配った。水のペットボトルを百本ほど大量に準備したところ、2日間で使い切ってしまった。またサーキュレーターを2台導入して、風を送る対応。

体でコツをつかむ

捏ねた土をバケツで2階に何度も運び、参加者全員で土に魂を込めて壁に塗っていった。

土壁塗りは私にとって初挑戦で、最初は、なかなか壁に付かず、床にぼとぼとと落としてしまった。何度もやっているうちに、だんだん慣れてきて、コテへの力の入れ方が、少しづつ体が覚えていく。最終的な仕上げは、先生にやってもらい、雰囲気のある壁に変身した。残念ながら目標であるすべての壁を新しい土壁にはできなかったが、2階の主要な一角は完成できた。魅力的な空間になる予感だ。

土壁が乾燥した翌日、原因がわからないが、ひびが入って剝がれ落ちることもあるそうだ。今回は問題なくホッとした。道具を全部ピックアップして、塗り壁隊のメンバーは帰っていった。雰囲気ある古民家宿に近づきつつある。