かつて賑わった音戸には、今でも人々の暮らしがあり、それも地域の魅力!

●音戸の漁業

音戸はイワシ漁が盛んでした。鰯浜(イワシハマ)と言う地名があるほどです。イワシの稚魚はちりめんにして、現代では音戸の特産品として人気が高いです。少し育つとイリコとして加工します。かつてはたくさんのちりめん加工のお店がありましたが、現代では数えるだけとなりました。

●カキの養殖

広島県産牡蠣は国内では有名で、音戸では、1954年頃から始まっています。牡蠣の養殖には種つけ、牡蠣打ちなど多くの作業があり重労働です。赤潮や台風などの被害もあり簡単ではありません。若手による新しい牡蠣生産も期待が大きいです。

●造船業

倉橋島は、奈良時代に遣唐使船を作っていたという伝説があり、現代でも造船業が盛んな場所です。江戸時代には、北前船という日本海を一周する海運船を造っていました。音戸エリアでは明治から大正にかけて木造船の造船が盛んになり、船大工も多くいました。1965年以降、鋼鉄船が主流になってからは製造が減っていき、主に修理だけとなりました。

●酒蔵

広島県は、酒どころです。それは、吟醸酒の発祥地ということもあり、酒造りへの情熱が今も受け継がれているのです。音戸にも古い酒蔵があります。昔ながらの古民家が点在する小道を歩いて行くと、レンガ煙突が見えてきて、それが榎酒造(つかしゅぞう)。「華鳩(ハナハト)」というブランドで、海外にも展開している。日本酒では珍しい「貴醸酒(きじょうしゅ)」という古酒があり、フランスの品評会で受賞しています。普段は、酒蔵見学はできませんが、フランスに10年以上住んだ経験もある女性専務さんがお酒を説明してくれます。