古民家はもともと自然素材のみの建物だ!

音戸イロリバHOUSEのフリースペースには、古い柱と梁、そして土壁が見られる。それは、もともとあった天井を撤去して、家の古い構造をお見せしたいからだ。

古民家と言われるもともと日本の伝統建築は、すべてが自然素材で作られている。近代になって電気が通り、電線やガラス窓が付きましたが、それぐらいだ。

ここの梁をよく見ると、部分的に継ぎ目や無用な組穴があり、当時はリサイクルしていたのだとわかってくる。当時は、新築するのだって資源が潤沢なわけではないだろうし、さらに値段もかなりする。そこを中古材でしのいだのかもしれない。先人の知恵を垣間見ることができるのだ。

また、この界隈の特徴は、船大工が家も造ったケースがある。微妙に曲線を描く梁から、ひょっとしたら船大工の技術ではないかと思える。船の曲線に似ているからだ。

土壁は、地元の土と砂、石灰と水を一定の割合で混ぜたもので塗り上げる。ベースは、竹で編んだだけの壁になっていて、その上に塗るのだ。この島の土は、粘土質が低く、海藻を混ぜ合わせたという記述が残っている。

リフォーム工事で、一部の壁を新しく土壁を塗り直したが、粘土質を高めるため、島内の解体した古民家の土壁をもらい、砕いて混ぜることで、粘土質が向上した。