宿の近隣を歩いてみよう。いろいろな発見をできるはず!

●狭い路地

音戸など、離島の魅力は、この細い路地である。微妙に曲がった路地は、なぜか落ち着く。道の主役が人だったころの時代だから、そう感じるのだろう。通りから裏に入ると、昔の区画になっていて、道が狭い。確実に車が入らないエリアもある。迷路のような街並みだ。その中に、地元のおじいさちゃんおばあちゃんに長年愛されているお好み焼き屋さん「しんちゃん」があり、是非、食べることに挑戦して欲しい。

●隈研吾の設計

音戸には、隈研吾の設計をてがけた建築がある。海沿いにある「音戸市民センター」で、図書館、行政窓口、多目的ホールをそなえた複合施設だ。2007年の竣工で、隈さんらしいルーバーが外観にも見られ、内装には、これまた、いかにものルーバーの壁がある。

この巨大な建築をいかに古民家も建ち並ぶ、この一角になじませるか、隈研吾は知恵を絞ったらしい。近くで見上げるとモダンな印象だが、遠くの対岸から見たときは、古い市場なのかとさえ思うほど馴染んでいる。

●音戸大橋

音戸第1大橋は、1961年の完成で、橋へのアプローチがユニークだ。ぐるぐるとループをのぼっていく。ここを車で運転していると毎度、目が回りそうなになる。

一方、音戸第2大橋は、2012年に完成した新しい橋だ。地元のばあ様に聞くと、この橋、何とわずか1日で出現したと言っていた。朝は、橋がまったく無かったのに、夕方には、突然、橋が架かっていてビックリしたという。嘘みたいな話だが、調べてみると、先に橋脚をつくり、橋の本体は工場で製作し、船で運び、クレーンで持ち上げて合体したのだ。半日で架けたと記録が残っていた。ここは、重要な航路ということもあって、何日間も止めることができないのだろう。新しい建築工法が使われていたのだ。