「風待ちの港、記憶の路地」
昔ながらの暮らしが息づく
宿の目の前に広がる「音戸の瀬戸」は、平清盛ゆかりの歴史ある場所。
かつて地続きだったこの地を、清盛は軍事と航路のために切り開いたとされます。
完成を急ぐあまり、清盛が扇で太陽を招いたという「日招き伝説」も、この地に語り継がれています。
瀬戸は、呉の市街地と瀬戸内海を結ぶ玄関口でもあり、倉橋島や江田島へと向かう重要な海路にあたります。
静かな海には、牡蠣の養殖筏が浮かび、今もなお海とともにある暮らしが続いています。
その昔、この地は「隠戸(おんど)」とも記され、まさに“隠れ里”のような趣がありました。
路地裏には、往時の面影とともに、人々の営みが静かに息づいています。




宿へと続く細い路地は、実は平安時代から続く古道。この道沿いには、戦前まで商店街として栄えた町屋づくりの家々が立ち並び、今もなお、当時の面影をとどめています。
古い瓦屋根の家の隣に、暮らしの気配が漂う現代の住宅。
時代が折り重なりながら、静かに息づいている風景は、どこか懐かしく、どこか新鮮。
音戸は、ただの観光地ではなく、歩くことで“物語”に出会えるまち。
ゆるやかな坂や小さな祠、路地の先に広がる海の気配――
そのすべてが、旅人の足をそっと引き止めてくれるのです。




宿の通りには、古民家カフェの天仁庵という憩いの場があります。

2つの真っ赤な音戸大橋が、このエリアのシンボルです。左手の大きな建物がうず潮館という観光施設です。レストランも併設されています。
音戸のコラムリスト
宿の近隣を歩いてみよう。いろいろな発見をできるはず! (街並み)